一人鳥貴族を楽しんだ帰り道、よせばいいのにまいばすけっとに寄ってしまう。結局〆の候補は見つからなくて、前から冷蔵庫に備えておきたいと思っていたバターだけを買った。浪費せずに済んだ。
そこで「だけスパ」を作ることを思いつく。稲田俊輔『ミニマル料理』に掲載されている具材は1種類、味付けはバターだけのパスタのこと。
今日の具は冷蔵庫に転がっている新玉ねぎの残りに決まった。酔った勢いは行動力も創造力も高める。
新玉ねぎ(1/5くらい)を薄くスライスして、バターひとかけ(8g)を弱火で熱したフライパンに入れて炒める。本当はバター以外調味料を使わないのが「王道」だが、ちょっと日和ってにんにくチューブを少しだけ入れる。とはいえ、にんにくは本でもアレンジで推奨されている。
ここからは先日作った「至高のペペロンチーノ」の作り方を参考にする。
ペペロンチーノを作った後『本気のワンパンパスタ』も読んで、だいたいの要領は掴んだ。ソースを麺に絡めるタイプのパスタならこの方法がいい。
フライパンに水を具材が被るくらい入れ、沸騰したところに半分に折ったパスタを入れて中火で5分煮る。最後に汁を飛ばすように煮詰める。ちょっと水が多かったようでスープパスタにみたいになったけど、それもまたいい。
最後に黒胡椒をかけて完成。
弱火でじっくり炒めたことで新玉ねぎの甘味が最大引き出されている。この甘味とバターの香りというシンプルな組み合わせがちょうどいい。普段は絶対にパスタをすすったりしないけど、こればかりはズーズー音を立てて食べたくなる。家庭料理を越えた洗練さがあるのに、家でしか食べられないというアンビバレンス。ビヨンド家庭料理。家で作る〆料理の最高到達点だと思う。